ヨーク 2022年春夏コレクション – バーネット・ニューマン、線と面の遊動

ヨーク(YOKE)の2022年春夏コレクションが発表されたtote711.com

バーネット・ニューマン、線と面

2021年秋冬のマーク・ロスコに続いて、今季のヨークが着想源としたのは、抽象表現主義の画家であるバーネット・ニューマンだ。とりわけ、抽象表現主義のひとつの傾向である激しい色彩表現を抑え、フラットな色面によって画面を構成するカラーフィールド・ペインティングで知られており、細い縦線によって巨大な色面を区切った作品を数多く手がけた。

素材のレイヤリング

コートやジャケット、シャツには、ニューマンのシルクスクリーンに見られる「重ねる」プロセスを反映。トレンチコートはベーシックなフォルムながら、同系色のナイロン素材を重ねることで奥行きを演出した。一方でジャケットは、テーラードジャケットの上に、ラペルもボタンも覆うようにしてファブリックを重ね、ノーカラー仕様に。薄い布地を介して感じられる、元のジャケットのディテールが、独特の表情をもたらしている。

抽象的なモチーフを表情豊かに取り込んで

ニューマンの作品に現れるモチーフを取り込んだウェアは、抽象的な柄と相まって存在感ある佇まいに。クレヨン風のタッチの色彩をジャカードで表現したファブリックは、ゆったりとしたステンカラーコートやブルゾンなどに採用。一方、初期の抽象的なモチーフをイメージした総柄は、軽やかんで落ち感のある素材にのせ、ブルゾンやシャツなどに用いた。色彩は沈んだように濃く、深い調子に仕上げ、総柄ながらも落ち着きを感じさせる。

線の滑走

ニューマンの作品に数多く現れるのが、画面を一直線に横切るラインのモチーフである。それはたとえば、コートやジャケット、シャツ、パンツのサイドに見られる、ステッチの強調に反映されている。また、シャツやシワ感のあるミリタリーブルゾンにも、多数のステッチをストライプ状にあしらって。さらにジャケットにも、襟などに施すステッチに大きめの間隔をとることで、切りっぱなしのファブリックに大胆なほつれ感を生みだした。

プリーツ状のニットウェア

そうしたライン状モチーフをファブリックの構造に適用したのが、プリーツ状のニットである。プリーツといっても通常イメージされるものではなく、編みそれ自体でファブリックの凹凸を表現しているため、細かな畝構造によるストレッチの効いた独自の素材となっている。スーパーコピー パーカー素材の質感を余すところなく引き立てるよう、装飾を配してミニマルに仕上げたカーディガンやパンツなどに用いた。

カーディガンやプルオーバーも涼しげなニット素材に

表情豊かなニットアイテムも、涼しげな春夏仕様で展開。モヘアのようにふわりとボリュームのあるカーディガンやプルオーバーは、コットンをモール状に加工し、きわめて緩く編みあげることで、見た目とは裏腹に軽やかな風合いに。また、しっかりとした生地感ながらもざっくりとした編み目で作り、空気がすうっと通り抜ける独特のニットも、カーディガンに使用した。

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